LB4

えみちゃんとのデートは清く正しく進んでいく。

車でないと行きにくい郊外のスポットを巡り、自然に触れたり買い物をしたり。

隣に並ぶえみちゃんの顔が近く感じるのは、推定7センチのヒールのせいだ。

顔は変わっていないはずなのに、見るアングルが違うと別人のよう。

「大悟くーん」

と俺を呼ぶ声があの頃と同じであることに安心する。

飯を食って店を出ると、外はうっすら暗くなっていた。

「さーて帰るかー。家に着くのは9時前になるな」

車に乗り込み、出発。

高速に乗ったところで、えみちゃんが言った。

「あたしね、今日は帰らないつもりで来たの」

「え?」

車はすぐに渋滞にはまり、停まる。

えみちゃんに視線を向けると、窓から差し込む照明灯とパネルに組み込んだカーナビのディスプレイの光に照らされ、息を飲むほど艶のある表情をしていた。

これは……まずい。

慌てて前を向き直す。

ちょうどそのタイミングで前の車両が少しだけ進んだ。

俺もその流れに従う。

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