LB4

「それだけのことをやっても俺はえみちゃんを大事にはしないし、関係を持ったからにはこうして二人で楽しく出掛けることもできなくなる。ハジメテは好きな人とって思うのかもしれないけど、一生残る辛くて恥ずかしい思い出にしかならない。えみちゃんはそのことをずっと後悔して生きていくことになる」

えみちゃんの手が、俺の腕から離れる。

運転のため前を向いているから表情は見えないが、きっとしゅんとしている。

「俺とするって、そういうことだよ」

わかってくれただろうか。

俺なんて、ダメなんだ。

「いいよ、それで」

はぁっ!?

全然わかってないじゃんか。

「それでも、大悟くんとがいい」

思わず、一瞬だけ、助手席を見た。

ひたむきな彼女の顔を見て、胸が痛くなる。

この顔、どこかで見たことがあるぞ。

この顔は、千佳だ。

板東さんを見る千佳と同じ表情だ。

好きだから、何もないよりは身体だけでも手に入れたいという愛人体質の証。

「……わかった」

そこまでの覚悟があるなら、応えよう。

覚悟が、本当にあるのなら。

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