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バタン……ガチャッ。
扉が閉まって数秒で施錠される音がした。
「えっ?」
誰も扉に触れていないことをわかっているえみちゃんは、サンダルを脱ぐのに手間取りながら驚いて扉を振り返る。
「こういうホテルは、扉を閉めただけで自動的に鍵がかかるシステムだよ」
「あ、そうなんだ……」
郊外で見つけた、けばけばしいラブホテルに休憩で入った。
えみちゃんはどうして宿泊にしないのかと尋ねてきたが、遊び相手とは泊まらないポリシーだと告げたら不満を飲み込んだ。
風呂やトイレは部屋の手前にある。
部屋に入ると、いやに清潔な空気と大きなベッド、大きなテレビ、そしてテーブルとソファーがオシャレな感じに配置してある。
外装のわりには近代的で快適なホテルだ。
ラブホテル初上陸のえみちゃんは、よっぽどこの空間が珍しいのか、キョロキョロ部屋中を見回している。
「さて、と」
車のキーを、わざと音を立ててテーブルに放った。
その音でえみちゃんがこっちを向いたタイミングを見計らって、彼女を巻き込んで勢いよくベッドに飛び乗る。
「きゃっ!」
横たわった彼女の顔の横に、わざとらしく手を着く。
えみちゃんの顔は、みるみる赤くなった。