LB4
「えっ? えっ? いきなりするの?」
「2時間しかないからね」
体を固くして焦っている。
当然か。
「お風呂とかシャワーとかは?」
「時間がもったいない」
体を傾けて服の上からブラのホックを外すと、彼女のドキドキが俺にまで伝わってきた。
「もう少しそういう雰囲気になってからするものだと思ってた」
「そういう雰囲気って?」
右の肩口から手を差し込み、肩紐を引きずり出す。
ピンク色だ。
腕を通した後、左から引き抜く……が、案の定袖口のところで引っ掛かり、取り出せない。
「ラブラブっていうか、甘い感じ? キスしたり、イチャイチャしたりして」
「そういうのが欲しければ、ホテルに入る前に仕込んでおかないと手遅れ。ていうかそもそも俺たち付き合ってるわけじゃないじゃん。ラブラブって、今さら」
「でも、ラブラブな感じでしたい」
俺は少し乱暴な感じで彼女を横に転がして、わざと破れるかも、と思えるくらいの加減で背中のファスナーを下げた。
えみちゃんの身体が、軽くビクッと震える。
「えみちゃんは自分の立場がわかってないね」
「立場?」
「えみちゃんは彼女のいる俺に浮気エッチをしてくれって頼んだんだよね? 俺、頼まれて渋々する側なわけ。それなのに、なに贅沢に注文つけてんの?」
一切の笑顔もなく見下ろせば、彼女の目にみるみる涙が溜まっていく。
「……ひくっ……」
間もなく涙は目尻から溢れ、時間が経って落ち始めたアイラインと共に流れてゆく。
「泣かれると超めんどくさい。鬱陶しい。やれって頼んだのはそっちなんだから、快く受け入れろよ。マジ萎える」
「なんでっ……なんでそんな酷いこと言うの? 大悟くん、優しかったのに、なんで急にそうなっちゃうのっ……?」
俺のあまりの言い様に、とうとう嗚咽を漏らし始めた。
そう、それでいい。
君のその涙は正しいよ。