LB4
俺はここで、彼女の下着から手を放した。
「えみちゃんがしようとしたことは、こういうことだよ」
彼女はひくっとしゃくり上げながら、びしょ濡れの顔を恐る恐るこちらに向けた。
俺を恐れているようでもあるし、助けを求めているようでもある。
蔑むように作っていた表情を緩め、ふと一息つく。
痛烈な言葉を吐き続けるのにかなりの精神力を消耗したため、さすがに俺自身も参っている。
「男にすがるような女になっちゃダメだ。男は身体なんかじゃ手に入らない」
捨てられる度に俺の前で泣いていた千佳の顔が浮かぶ。
えみちゃんにはここでちゃんとわからせておかないと、千佳の二の舞になる。
幸運にも、えみちゃんはまだ処女だ。
道は踏み外していない。
「性の対象として見られることは、魅力的な女性として見られることとは全然違うんだよ」
父親も男兄弟もいない彼女に、男の何たるかを理解させるのは難しいのかもしれない。
この子がこれからも踏み外さないために、元家庭教師の俺が最後に教えてあげられることは何だろう。
「ちゃんと、幸せになりなさい」
えみちゃんはそのまま数分間、しくしく泣き続けた。
本当に千佳にそっくりだ。
君のハジメテは、いつか君を本当に好いている男と共に迎えてほしい。
互いが求め合っていれば、自然と君の望む形でその時が訪れる。
だからそれまで、自分の身体を大切にーー……