LB4
千佳は、板東さんの追っかけで同じサークルに入ってきた女のうちの一人だ。
地方の高校から一般入試でうちの大学に入ってきた彼女は、東京とかキャンパスライフとかに大きな憧れを抱いてやってきた、典型的おのぼりさんだった。
まぁ、なんていうか、早い話がチョロかった。
酔ったところを介抱して、優しくして、エロいキスをしたら、簡単に脚を開いた。
なんだこいつ、だいぶ危なっかしいな。
世間知らずで身の程知らず、誘惑に弱く、そのくせバカみたいにプライドが高い。
こんなんじゃすぐに俺みたいな悪い男に騙されて、傷つけられて、みるみるうちにボロボロにされるぞ。
そう思った俺は、いわゆる父性みたいなものがはたらいたのか、このチョロい女をチョロくない女へと教育してやりたくなってしまった。
「千佳さぁ、とりあえず一回俺と付き合えば?」
「嫌よ。私が好きなのは板東さんだもん」
はっきりとそう告げた彼女に、驚いたというか呆れた。
一途に思い続ければいつか板東さんと付き合えると、どうやら本気で思っているらしかった。
板東さんという人は、顔良し頭良し性格良し、おまけに金持ちの家の次男で、なんの努力もなく天然でモテを極めている、恋愛ヒエラルキーで言えば頂点に立つ男。
良くも悪くもごく普通の千佳なんて、彼にとっては“その他多数”で可愛い後輩止まりでしかない。
世間知らずの千佳は、それが全くわかっていなかったし、何度そう説いても理解しなかったし、受け入れなかった。