LB4
当初の予定より1時間以上遅れて、えみちゃんを自宅アパート前で下ろした。
「ばいばい、またね」
「ああ、また」
笑顔で別れることができてホッとしている。
それから待ち合わせに使ったコンビニに、いったん車を停めた。
22時45分。
千佳はまだ起きている時間だ。
未成年と一緒だからと一日我慢していたタバコに火をつけ、発信。
千佳は不機嫌な声で、しかしワンコール内で電話に出た。
『はい』
「もしもし、俺だけど。何してんの?」
『風呂上がって化粧水つけてた。女子高生とのデートはどうだったの?』
「今家まで送ってきた」
『えっ、今? 高校生でしょ? 遅くない?』
「そこは反省してる」
『あんたまさか、女子高生にまで……』
「してない! してないから。ちゃんと処女のままお帰ししました」
『どうだかね。大悟だし』
俺って本当に信用ないんだな。
当然か。
今まで彼女がいたって、千佳との関係はずっと続けてきた。
それが態度に出ていたのかは定かではないが、毎度女の方がギチギチに俺を縛り付けようと必死になって、俺はそれに堪えられなくて別れに至る……というパターンばかり。
ところが今回は。
千佳には半ば説き伏せる感じで付き合うことを了承させたから、俺の片想い同然。
幸か不幸か、俺はその関係を繋ぎ止めることに必死になっており、他の女に構っている暇はなくなった。