LB4
「千佳、チューしていい?」
「すればいいでしょ。ていうかいつも勝手にしてくるじゃん」
「千佳はチューしたい?」
「なんでそんなこと聞くの?」
そんなの、「したい」って言わせるために決まってる。
今までは『俺がしたいからさせてあげてる』というスタンスを許してきたが、これからはそうはさせない。
恋人同士なのだから、互いが求め合っていないと。
今日はそれをえみちゃんに教えてきたけれど、これからは千佳にたっぷり叩き込まなければ。
「したいかしたくないか、答えればいいだけだろ」
したいと言ってくれさえすれば、俺は舞い上がってハッピーな気持ちになれるのだ。
そしてそのハッピーなエネルギーで、君を幸せに……
「別に、しなくていい」
……そうきましたか。
思春期をこじらせたこの女は、この年になってもなお、照れると恥ずかしさから自分を守る方を選ぶ。
ちゃんと素直に言えるようになるまで、また一から教育する必要がありそうだ。
「あっそ。俺はしたいからするけどね」
寝そべった彼女の唇に軽く触れ合わせる。
そしてそれでは彼女も物足りないとわかっていて、わざとらしく告げるのだ。
「付き合って初めてのキスだね。もっとする?」
千佳がさっき手渡した2個を握る力を強くしたから、パッケージがクチャっと音を立てた。