LB4
集中できないままどんどん時間が過ぎてゆく。
キレイなオレンジ色の夕日が空を幻想的なグラデーションに染め上げ、次第に完全に沈んでしまった。
ガラガラガラガラ……
教室の後ろの扉が開き、視線は自然とそちらに奪われる。
「江頭ー。まだ終わらんか」
藤川だった。
あたしがなかなかノートを持っていかないから、しびれを切らして催促しに来たらしい。
「全然終わんない」
「どうした。そんなに難しい問いはなかったはずなんだけどな」
「なんか、集中できなくて」
シャーペンは握っている。
式だって書いた。
でも、計算を進めていくといつの間にか手が止まって、考え事をしているのだ。
藤川がこちらに歩いてきて、田中の席に座った。
こちらを向いて右腕で頬杖をつく、田中と同じポーズ。
あんたまで思い出させないでよ。
「悩みこじらせてんの?」
「まーね。聞きたい?」
「いや、別に」
「先生だったら、そこは話してみろよとか言うとこなんじゃないの?」
「聞いたって俺、女子高生の悩みなんて解決できねーもん」
「あー、それね」
「つーかお前が俺に話したいだけだろ」
「だってせんせーしか話せる人いないし」
「俺、超絶いい先生だからな」
「マジそういうとこウザいけどね」