LB4
彼女はシートベルトを外し、膝に乗せていたバッグを足元に置いてこちらに身を乗り出してくる。
ここまで来てしまったからには、出来るだけ彼女のリクエストに応えてあげるしかない。
俺もシートベルトを外し、彼女の頬に手を添え、音も立てずにそっと口づける。
柔らかくて滑らかで、恐ろしく気持ちよくて、身体が強く反応するけれど、せめて大人のプライドとして、それを悟られるのは避けたい。
息苦しいけど、決して息を乱してはいけない。
唇を解放してやると、彼女は嬉しそうににっこりと笑った。
「あは、タバコの味がする」
「やめとくか?」
「ううん、嫌いじゃないよ」
嫌いじゃないなら、遠慮なく。
添えていただけの手を後頭部に滑り込ませ、添えるというよりは掴むような形で彼女の頭部を抑え込み、もう一度口づける。
軽く舌でノックすると、待ってましたとばかりに唇が開かれた。
俺の持てる技術の限りを尽くし、艶かしく彼女の咥内をかき回すと、吐息を含んだ女の声が漏れ出た。
こんなに興奮したのは久しぶりかもしれない。
11年ぶりの、初めてのキス。
しかも相手は11も年下で、あろうことか俺の可愛い生徒。
「あ、ねえ、せんせ」
顔を赤くして、涙目になっている。
教室ではイジられキャラで天真爛漫な江頭えみが、今、ハッキリと俺に欲情している。
これは、スゴい光景だ。
「呼ばないんじゃなかったのか?」
「だって、いつもそう呼んでるから」
ウブな反応を見せながら、もっともっとと腕を俺の首に絡ませて、触れやすいように顔を上手く傾ける。
俺はあえて応えず、じらして運転席のドアノブを引いた。