LB4
「やめとくって言ったら、やめるの?」
「やめますよ」
「ほんとに?」
「相澤さんがOKくれるまで、何度も身体を説得しますけどね」
「説得って……」
「で、どうします?」
あんたの中に答えはひとつしかないくせに、ゴーサインだけは私に出させるの?
押し倒したんだから、責任もって全部リードしなさいよ。
私にだって、どうせ答えはひとつしかないのだから。
「ここでやめたら男だなんて認めない」
私が言うと、板東は勝ち誇ったような笑顔を見せた。
「ですよね」
板東が思ったより激しいセックスをするから、私はまたびっくりした。
ダメとか無理とかストップとか言っても全然聞いてくれなくて、私は涙を流しながらふにゃふにゃでぐちゃぐちゃになった。
いつも私が何か頼むと、よっぽどのことがない限り「いいですよ」と聞いてくれるのに。
まるで手のひらを返したかのように、ひたすら私を貶め続けた。
「相澤さんのこんな顔、見られるとは思いませんでした」
「あんたなんかに見せたくなかった」
「そんな高い声も出るんですね。知らなかったな」
「仕事中にこんな声が出るかよっ」
「出るか出ないか、明日会社で試してみます?」
「ぶっ殺す!」
「その声で言われても、全然怖くないですよ」
私たちはこの夜、先に私が疲れて寝落ちするまでに3回、朝起きてからもベッドと浴室で2回した。
せっかくいつもより早く起きたのに、そんなことばかりしていて出発が時間ギリギリに。
板東のために用意した寝床は、結局使わなかった。