LB4
彼女は応えるように瞳を閉じ、唇を差し出す。
とてもわかりやすい『したい』の返事だった。
「ふっ……」
触れた瞬間、彼女の息が漏れる。
メイクを施している彼女の唇はグロスでベタついていて、俺の唇をよく密着させた。
グロスは不快だけど、まるで『放したくない』と言われているような気がしてグッとくる。
あの夜のように思い切って口内に侵入すると、感じやすい彼女はその感覚に堪えようと身体に力を込めた。
俺の腕を握る手に力が入る。
きっとこんなところで甘い声など出してしまわぬよう必死なのだ。
体を支えるために壁についていた手を彼女の後頭部に回し、より強くこちらに押し付ける。
二人の中だけで淫靡に響く水っぽい音が興奮をかきたてた。
しばらく堪能して顔を離せば、グロスの粘度が離れたくないと抵抗する。
「板東……ベタベタ」
彼女の指が俺の口の周りに触れた。
彼女の口の周りもでたらめにグロスが広がっている。
お互いにこんな顔では事務所に戻れない。
「もう、俺のってことでいいですよね?」
こんなキスさせておいて、ダメだなんて言わせない。
「いいって言ってもらえないと、頭がおかしくなりそうです」
欲しくて欲しくて欲望が爆発しそうだ。