LB4

「私、今日はもう帰る」

これ以上聞くと、ムカつきレベルが限界を越える。

「そういうとこのこと言ってんだよ」

嫌なことから逃げたって言いたいの?

「怒らせたのは大悟じゃん」

「でも本当のことしか言ってない」

「本当じゃないもん」

22歳。

私はれっきとした大人だ。

「嫌なこと言われて怒って帰るのが大人かよ」

「そうよ。嫌だから、自分の意思をハッキリ言える大人の女よ」

「バカか。嫌なことも受け入れて省みるのが大人ってもんだろ。そんなんじゃ、恋愛なんて一生無理かもな」

「バカにしないで!」

私はテーブルに5千円札を叩き付けて店を出た。

何よ何よ何よ!

一生無理だなんて、絶対にない。

今までだって「彼氏」という形じゃなかっただけで、恋愛はしてたもん。

全然タイプじゃない人からだったからお断りしたけど、告白だって何度かされたことあるし。

女として、魅力がないわけじゃないもん。

たぶん。

だから城山さんのことだって、その気になって頑張れば、きっと振り向いてくれる。

私の恋は、今までずっと報われなかった。

神様だって、そろそろ私のことを救ってくれるはずだ。

今度の恋は、きっとうまくいく。

きっと……。



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