LB4
城山さんが選んだのはカウンターではなくテーブル席だった。
向かい合って座ると物理的に距離があるし、よろけたフリして触れることもできない。
まあ、欲張って引かれるよりは、適度に距離を保つ方がいいのかも。
城山さん、案外カタいみたいだし。
世間話をしながら各々ドリンクを頼み、一口啜ってから本題に入る。
先に口を開いたのは、彼の方だった。
「相談っていうのは、もしかしなくても早川のこと?」
そう切り出した彼は、少し嬉しそうな顔をしていた。
「えっ、どうしてわかったんですか?」
私の顔に書いてあったのだろうか。
それとも、私のことを見てくれていて、早川先輩にいじめられているのに気付いてくれてたとか?
この間、駅までの道でちょっと話したし。
期待とときめきで胸が膨らんだ。
「だって俺に相談って言うから」
しかし彼の言ってる意味が、イマイチよくわからない。
首を傾げると、城山さんもあれ?と首を傾げる。
「まさか、知らないで俺に相談持ちかけたの?」
「何をですか?」
「俺と早川、付き合ってるんだよ」
頭に岩でも落ちてきたのかと思うくらい、ドンと強い衝撃が走った。
衝撃は頭部に来たけれど、痛みは胸の方に来る。
天と地がひっくり返ったかと思った。
こんなに素敵な男性が、あんな意地悪なオバサンと付き合ってるなんて信じられない。
あんな嫌な女のどこがいいの?