LB4
「じゃ、じゃあ、どうすればもっと大人になれますか?」
幼いから相手にしてもらえないというのなら、ちゃんとした大人になりたい。
そこが悪いと言うのなら、直せばいいんでしょう?
私、努力は得意です。
そしたら、あんな女より私を選んでくれますよね?
「難しい質問だなー。千佳ちゃんの場合、まだ若いから人生経験が少ないのかな。もっといろんな人と接して、勉強させてもらうといいよ」
「勉強って、どういう意味ですか?」
抽象的すぎて、よくわからない。
城山さんは一言「気を悪くしないでね」と断ってから、一度コーヒーを啜った。
「千佳ちゃんの考え方は、社会的には間違ってる。それを認めて、素直に年長者の言うことが聞けるようになれば、グッと大人に近付けると思う」
私、間違ってるの?
どこが?
間違いが見当たらないのに、認めるなんてできないよ。
それに、年長者の言うことって……。
「みなさん、私を都合の良い人間に仕立て上げたいって感じですけど」
いやらしくて意地悪なオヤジやババァの言いなりになって、嫌なことまで何でもかんでもハイハイ言うことを聞けってこと?
「そんなの、当たり前でしょ」
城山さんは至極真面目な笑顔で告げる。
「え?」
当たり前って、何言ってるの、この人。
「俺たち会社員は、金をもらって会社に雇われている。自分が嫌なことでも、そんなの間違ってるって思っても、会社の意向に沿って働かなきゃいけない。都合の良くない人間なんかに、給料を支払う価値はないんだよ」