LB4
仕事のことについても考えてみる。
私はいつも、早川先輩がまともに仕事を教えてくれないと思っていた。
この考えも間違っているとしたら……。
早川先輩が教えてくれないんじゃない。
私がろくに学んでいない。
早川先輩が意地悪オバサンなんじゃない。
私が出来損ないのガキなのだ。
先輩はただでさえたくさんの仕事を抱えていて、それを消化していくだけでも精一杯。
そのうえ新人教育まで押し付けられ、合間に仕事を教えてもあれは何だこれは何だと邪魔をしてくる。
少し自力で調べれば解決することを、面倒だからと聞いてくる。
私、最悪だ……。
頭だけでなく、胸まで痛くなってきた。
あまりにも申し訳ない。
身体中がモヤモヤして発狂しそう。
「大悟」
「ん?」
「認めるって、苦しい」
少し鼻声で呟くと、電話の向こうで大悟が笑ったのが聞こえた。
「それが現実を受け入れたって証拠なんじゃねーの」
『受け入れる』という言葉はよく耳にしていたけれど、こんなに苦しいことを意味しているだなんて知らなかった。
世の中にはきっと、私が知ったつもりになっていることがまだまだたくさんあるのだろう。
苦しむのが嫌で認めるのを避けてきた様々な真実が、きっとこれからたくさん明らかになっていく。
そして重くのし掛かってくる。
すごく怖いけれど、私はそれをちゃんと受け入れていかなければならないのだ。