LB4
娘のえみちゃんは、まゆみさんに似て目が大きい、けれどおっぱいはまだまだ発達途中(目視予測)の、可愛い女の子だった。
母子家庭の娘と聞いて、もしかしたらヤンキーかもしれないとビビっていたが、全然そんなことはなかった。
ニコニコ笑顔でお母さんが大好きで、勉強は得意じゃないけど嫌いではない、ごく普通の明るい中学生。
セミロングくらいの黒髪は耳の下あたりでツインテールに結ってあり、前髪は眉のあたりに切り揃えられていた。
うん、子供。
典型的中学生女子だ。
「松本大悟です。よろしくね、えみちゃん」
「よろしくお願いしまーす」
うんうん、素直でよろしい。
楽しくカテキョができそうだ。
と、このときは思ったのだが。
「大悟くーん! ここ全然わかんないよ。yの値ってどうやって出すの?」
「さっき作ったxの式に代入して」
「xの式ってどれ? なんかたくさんあるしもうわけわかんなーい」
えみちゃんは想像以上に数学ができなかった。
「大悟くん大悟くん。何度計算しても40Ωにならないよ」
「あーどれどれ? ここ、ちゃんと電圧の計算した? 並列回路ならどっちも電圧は同じだけど、直列の時は合計になるから……」
「ごめん、何言ってるか全然わかんない」
えみちゃんは想像を絶するほど理科ができなかった。
中学生女子をナメていた。
好きなものはとことん好き。
嫌いなものはとことん嫌い。
嫌いな理系教科もとことん嫌いなのだ。