これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
 残された私たち三人だったが、最初に口を開いたのは兄だった。

「高浜さん、あの短時間でよくここまで調べられましたね。想像以上でした」

 にっこりと笑顔を浮かべた兄は、勇矢さんに拍手を贈る。しかし勇矢さんの表情は硬いままだ。

「それは、今日ギリギリまで時間がかかってしまった私に対する嫌味ととって、よろしいのでしょうか?」

「まさか、そんな……。いや、しかし葉山の秘書も大したことないなと内心思わないでもないですけど……。次期総裁の片腕がこの程度では葉山の未来も知れたものですね」

「私の能力がまだまだだということは、認めます。しかし……大事な妹の婚約者にあんなウジ虫みたいな男を選んでいた、あなたの人を見る目のなさの方が心配ですね。これからの日本が一体どうなることか……」

 ふたりの間に火花が散ったように見える。

 それよりもいつの間にふたりが、連絡を取り合うような仲になっていたんだろうか?

「まぁ、ぎりぎりでしたが期限は守られたようですから、恵の婚約の話は白紙に戻しましょう。今後のことは……私は関知しません」

 兄の言葉に驚いて目を見開く。兄の決定は綾上家の決定だと言っても過言ではない。

「ありがとうございます」

 それまでいがみ合っていた様子だったのに、勇矢さんが兄に向かって深く頭を下げた。
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