これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
 私をソファに座らせると、その隣にあったオットマンに高浜さんは座った。
 
コーヒーカップからはいい匂いが漂っている。

「どうぞ」と勧められて私はソーサーを手に取り、コーヒーを一口飲んだ。

 それまでどこか、ザワザワしたりドキドキしていたりした気持ちがコーヒーを飲んで落ち着いた。

 添えられたクッキーは、かじるとサックとしていてバターの味が口いっぱいに広がった。

「クッキーおいしいです。わざわざ準備してくれたんですか?」

「えぇ、いつものコーヒーショップでたまたま目についたものですから」

それに引き換え、私は猫のお土産しか持ってきていないなんて。

もう一度自分の迂闊さため息が出そうになったのを慌てて止めた。

「あなたが喜んでくれてよかった」

口角を少し上げているだけなのに、彼が喜んでくれているのがわかった。

 私たちがお茶を楽しんでいると、ひとり遊んでいた猫が、課長の膝に飛び乗って甘えた様子を見せた。

「可愛がってくれているんですね」

「別にあなたの為に可愛がっているわけではありませんから、礼には及びません」

 彼は膝に乗せた猫を撫でながら、少し意地悪な言葉をかけてきた。

猫を高浜さんに預けたとき。正直少し不安だった。

もちろん彼がいい人だということに気が付いてはいたが、それでも命を飼うということはとても大変なことだ。

でもこの猫の様子からすると、とても大切にさえていることが伺えた。

「よかったね、お前」

ソファから降りて、彼の膝の上にいる猫の頭を撫でた。気持ちよさそうに目を細めている姿が、最高に可愛い。
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