これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
駐車場までの道でさっきの話を蒸し返された。

「いいですか? クロは喜ぶかもしれませんがそれであなたがご飯を食べられなくなったらどうするんですか?」

派遣社員の私のお給料は確かに少ない。できれば無駄遣いはしないほうがいい。

だがクロへのお土産は決して無駄ではないはずだ。

「無駄遣いじゃないです。クロへのお土産は。私は自分の働いたお金で何か買ってあげたかった。それだけです」

口を尖らせた私の顔を見て、高浜課長が笑い出した。

「あなたは、見かけによらず強情な方ですね。わかりました。無駄遣いといったのは取り消します。失礼しました。ですが、クロはお土産よりもあなたが遊んでくれる方がうれしいと思いますよ」

にっこりとほほ笑まれてうれしくなる。

こうやって私の気持ちを理解して尊重してくれる。

こういうことが、こんなにうれしいことだなんて思ってもみなかったな。

「だったら、またお部屋にお邪魔してもいいですか?」

私が訪ねたら驚いた顔をして「はい……まぁ。せっかくおもちゃも買ったのですしね」と返事をされた。

ん?気のせいかな?顔が赤い?

「さぁ、早く乗ってください」

色々と聞こうとした矢先に、車へ到着した。

荷物を積み込んだ私たちは、高浜さんの部屋へと戻ったのだった。

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