これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
結局クロは、私たちの作業と話し声で目をさましてしまい、彼が一生懸命組み立てている間買ってきたおもちゃではなく、梱包用の紐で私とじゃれあって遊んでいた。

組み立てが終わるとすぐに、高浜さんはキッチンへ行き私にコーヒーを淹れてくれる。

「すみません。色々と」

「いいえ。私が飲みたいのでついでです」

そっか……ついでか。

それでも嬉しいです。そうキッチンから漂ってくるコーヒーの香りを吸い込んで私は心の中でそっと本音をつぶやいた。

「ほらっクロこっちだよ。こっち」

相変わらず私とクロは、紐で遊んでいた。

白いビニール紐をゆらゆら揺らすと、器用に飛びついて紐の端を捉えようとする姿がかわいくて何度も同じことをしていた。

背後に高浜さんの姿があるのにも、気が付かずに……。

――ガシャーン

「熱っ!」

私が勢いよく引っ張った紐に飛びつこうとしたクロが、高浜さんにそのまま直撃したのだ。

咄嗟の判断で、熱いコーヒーはクロにはかからなかったけれど、見事に高浜さんに直撃した。

「だだだ、大丈夫ですか?」

「いえ、決して大丈夫とは言えませんが、とりあえずクロは大丈夫でしょうか?」

犯人Aは、まったくコーヒーをかぶっておらず事態を把握したのかテレビ台の下に隠れて出てこない。

 しかたない、ここは共犯者である犯人Bの私が謝るしかない。

「申し訳ありませんでした」

 深々と頭を下げて謝る。
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