これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
 そしてバックに入れてあったタオルハンカチで、一生懸命高浜さんの体中についたコーヒーを拭った。

「すみません。火傷してないですか? 病院行きますか? あっ、でも今日お休みかも……あ~」

 慌てる私を見て、高浜さんはまた大きな声で笑う。

 コーヒーかけられて嬉しい? わけないか。

 ひとしきり笑ったあと、眼鏡のブリッジを抑えてから「大丈夫だから」とまだ笑いの残る声を発した。

「そんなにたくさんかかったわけではありませんから、大丈夫です。それよりもあなたやクロにかからなくて本当によかった」

 彼の手がまっすぐに私に伸びてきて、頭をポンポンと二回優しくたたいた。

「シャワー浴びてきますね」

 シャワールームに歩いていく彼の背中に何も声がかけられなかった。

 喉に何かが張り付いたような感じで、胸はドキドキと大きな音を立てている。

 こ、これどうしたんだろう?なんか今日は色々おかしな感じがする。

 あんな風に頭を触られたのって、小学生くらいまでだったからなんか変にドキドキしてるんだ。きっと。

 シャワールームの扉を見つめたまま、赤くなった顔のほてりをさます。

 ソファに座り、赤くなった顔をさましているとクロがひざの上に乗った。

「クロ。高浜さんがシャワー終わったらちゃんと謝ろうね」

 先ほど逃げた犯人の一匹をひざに乗せ撫でながら話かけた。クロは気持ちよさそうにしてる。

 私もクロをなでていると、気持ちがいいな。

 ふと目をつむって、クロの感触を楽しんだ。
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