これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「どうかしましたか?」

「いえ、どうもしませんよ。今はその公園に向かっているのです」

 すたすたと歩きながら答えてくれた。

「食事に行くんですよね?公園に?」

「はい。実は土曜日だけそこにおいしいラーメンの屋台が出るんですよ。あっ……ラーメンお好きですか?」

 私を気遣うようにして、こちらをうかがう。

「はい。屋台なんて初めてです」

「鶏がらスープが素朴な味を引き立てていておいしいのですよ」

 聞いているだけで、たまった唾液を飲み下す。

「すごく食べたくなってきました。走りますか?」

「その靴で?」

 可笑しくてたまらないといった様子で笑い出した。

 そんなに笑わなくてもいいのに。確かにこの靴では走りづらいけれど。

「では、急ぎ足で行きましょう」

「そんなに急がなくても屋台は逃げませんよ」

 さっきの笑いの余韻が残っているのか、まだ笑い続ける高浜さんにつられて私も笑顔になった。

 公園に入り中を横切る。

 噴水の向うに屋台の提灯を見つけたとき私の心がうきうきと疼きだした。

「あれですか?」

「あ、はいそうです。焦って転ばないでくださいね」

 はい。危うく走りだすところだった。危ない危ない。

 すでに私の行動パターンを読まれてる? まぁでもいいか。これが私なんだもの。

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