きみの声を聞かせて
「小林さんっ!俺、木村渚(きむら なぎさ)。渚って呼んで!
よろしくな!」
「ちょっと渚!あたしが最初に言おうとしたのに抜け駆けしないでよね!
……あっあたし千葉麻美(ちばあさみ)です。わからないことあったら何でも聞いてね!よろしくね」
木村くんには強気だったのに、わたしには少し照れくさそうに自己紹介をしてくれた千葉さん。
……良かった。
話すことができないから全然話しかけてもらえないかなって思ったのに、
2人が話しかけてくれたおかげで後ろには他にも何人かその状況を見つめている子たちがいる。
わたしはレポート用紙を取り出すとシャーペンを走らせた。