王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~

「作ってみたんだよ、"禁断の青い果実"!」


とっておきの秘密を共有するかのようにそう告げて、くすくすと声を潜めて笑い声を漏らした。

そんな弥生の様子を唖然と見上げていた瑛莉菜だったが、やがて言葉にならない気持ちを爆発させるかのように勢いよく立ち上がる。


なにが……なにが「作ってみた」だよ!

もう小説は書けないだなんて言いながら、いったい何をしてるのーーー!?


「な、何をくだらないことやってるんですか! 暇なら小説書いてくださいよ!」

「やだなあ、くだらなくはないよ。作品理解のためには必要なことだろ?」


期待通りに頬を上気させて自分に食ってかかる瑛莉菜に、弥生は満足そうにニヤニヤと笑った。

そのことが瑛莉菜の怒りに更に油を注ぐのを、本人もきちんとわかっている。

しかし、たまの話し相手である瑛莉菜が打てば響くような反応を見せるのが楽しくて仕方ないのだ。


「だいたい、ブルーローズとか、どこで手に入れたんですか!? その手間かけるエネルギー、ちょっとは執筆に向けられないんですか!」

「まあまあ、いいじゃないの」


そして弥生を見上げてぷるぷる震える瑛莉菜の肩を掴んで椅子に座り直させると、その前に"禁断の青い果実"が入った壺をズズッと押しやった。
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