王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
もしかしたらこれが、ランバートの本来の姿なのかもしれない。
社交界でどれほど軽薄を装っても、本当は誰かを真剣に想う心を、知っているのではないだろうか。
エリナにそれを教えてくれたのはキットだ。
ランバートの言う通り、舞踏会の夜からエリナに何か変化があったとすれば、それはキットがもたらしたもの。
それなら、ランバートにその気持ちを持たせるのはいったい誰なんだろう。
ランバートはエリナから一歩離れて距離をとり、緊張から解かれて無防備に立ち尽くす彼女の全身に素早く視線を走らせた。
「だから今夜は、王子の弱点をとことん突ついてお前の代わりにあいつを弄んでやると決めたのだ。それが私の今夜の楽しみなのだが……」
エリナをジッと見るランバートはなんだか浮かない顔だ。
少し不満そうというか、物足りなそうというか。
エリナがそう思ったとき、考え込んでいたランバートが突然いいイタズラを思い付いたというようにポツリと提案した。
「もう少し乱しておくか」
「え? あっ……きゃ!」
エリナの肩の辺りをポンと押して、側にあった大きなベッドに押し倒す。
目にも留まらぬ速さでエリナの細い手首をベッドに縫い付けると、脚の上に跨ってポカンとする彼女を見下ろし、舌舐めずりをした。