王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
エリナという獲物を組み敷いたランバートは、ひどく楽しそうだ。
ランバートにしてみれば、王太子の弱点たるエリナを捕まえ、思う存分キットをからかえるのだから、こんな美味しい機会はない。
「このドレス、どうせあの王子の注文であろうが、私はどうかと思うぞ。他の男には肌を見せたくないという独占欲が丸出しで、むしろ破いてやりたくなる」
「あ、ちょっと……!」
ランバートの指先が、透ける生地の上からスッと鎖骨をなぞる。
まさか本当に破かれては堪らないと、その手を止めようとしたが、逆にやすやすと捕まり片手で抑え込まれてしまう。
本気で手を出さないというランバートの意志を聞いていても、こうも組み敷かれれば抵抗しないわけにもいかない。
しかし腿の上に跨られて、脚はシーツを蹴るばかりだし、そのせいでスカートの裾は乱れ、なんだかどんどんあられもない姿になっていく。
ランバートはどうしたらいいのかと半分パニックになるエリナの首筋に顔を寄せ、妖しい笑いを含む声で耳元に囁いた。
「ここ。破かれているのと、脱がされているの。あの男はどちらのほうがより冷静でいられなくなると思う?」
「そんなっ……!」
ランバートの指先がからかうようにスッと胸元をなでたそのとき、部屋のドアが遠慮の欠片もなく激しく叩かれた。