王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
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「お義父さんに殴られただけでウェンディを俺のものにできるなら、俺は喜んで殴られちゃうな」
「もう、ウィルフレッドさまったら……」
ウィルフレッドが気に病ませまいと思って、そんな言い方をしてくれているのはわかっている。
それでも、社交界中の女性を虜にしてしまうほどキレイな顔をしたウィルフレッドが、あの頑固な父に『喜んで殴られちゃう』だなんて……。
その戯けた言い方がおかしくて、ついつられて笑ってしまった。
「だけど私、もしお父さまが次にウィルフレッドさまを殴ったりしたら、もう二度と口はききません。目も合わせたりしないわ」
ウィルフレッドに笑わされて少し気を取り直したウェンディは、グッと手を握って決意する。
ウィルフレッドは『避けようと思えば避けられるから気にするな』と言うが、もうこれ以上は黙っていられない。
父のことは嫌いではなかったけれど、ウェンディが愛しているウィルフレッドに筋違いな怒りをぶつけるなど、嫌いになってくださいと言っているようなものだ。