王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~

「宇野ちゃんから聞ける恋バナはこの悲し〜い初恋の話だけだしなあ……」

「ちょっと! 私だってそれ以外にもしてますから、恋のひとつやふたつ」

「ふーん、じゃあ、最近彼氏とはどうなの? 彼氏のどこが好きなの?」


テーブルに左頬をぺたりと付けたままうろんな眼差しで見上げてくる弥生に、瑛莉菜は目を泳がせる。

まるでその疑わしそうな視線が蛇のように首に巻きつき、締め上げられているみたいだ。


「……2週間前に、別れました」

「ほーらねー。宇野ちゃん本気で好きでもないのに告白された男と付き合うから、長続きしないんだもん」


瑛莉菜はろくに反論も思いつかないまま、ただ拗ねたようにそっぽを向いた。

こういう話は苦手だった。




宇野瑛莉菜、今年で26歳。

栄樹社第3書籍編集部所属で、ミエル文庫きっての売れっ子作家・やよいはるの担当編集者。

背中に流れる柔らかそうな黒髪と、キレイなアーモンド型の瞳が人目を引き、彼女の濃い茶色と目が合った男性が次に引き寄せられるのは、ぽってりとした形のいい下唇だった。


本人としては、付き合う男性のことはみんな、今度こそ本気で好きだと思って付き合ってきた。
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