王太子殿下の溺愛遊戯~ロマンス小説にトリップしたら、たっぷり愛されました~
それなのにどうしても、初恋の苦い経験がトラウマになっているせいか、あまり長続きしないのだった。
「もう! 私の恋愛トークはいいですから! てゆーかこの写真、まだ持ってたんですか」
瑛莉菜は居心地の悪い話を打ち切るように、弥生の手から写真立てを奪い取る。
そこに写っているのは7年前の瑛莉菜と、彼女の初恋の相手だ。
瑛莉菜がはじめて、心から好きだと思った男性。
恋とは、それこそロマンス小説の登場人物たちのように、お互いにどうしようもなく好きな相手とするものだと思っていた。
そして見事に、現実を思い知らされた。
いつだったか迂闊にも初恋の話をしてしまい、原稿をダシに弥生に脅し取られたのがこの写真だった。
弥生がこの写真からどんなインスピレーションを得ようというのかは知らないが、『結婚しナイト!』の執筆中にも度々写真を引っ張り出してきては話をさせられた。
しかもそれをときどき訪問する弟にも話して聞かせていると言うのだから、瑛莉菜としては堪らない。
しかし、何を置いてもこの手のかかる作家から原稿をもぎ取らなくてはならなかったのだから、仕方がなかったのだ。