神様修行はじめます! 其の四
玄関から真っ直ぐお岩さんの部屋へと向かう。
廊下は行き交う人々で、ごった返していた。
みんな顔色を変えて、長老を迎える準備にバタバタ大忙し。
何度も肩先がぶつかり合いながら前に進んで、やっと部屋へたどり着いた。
「お岩さん!」
「アマンダ! 心配していましたのよ! 早く中へ!」
「うん!」
中に飛び込み、しっかりとふすまを閉める。
ああ、こういう時の日本家屋って、密室性に不安が残るよね。
戸にカギがかけられないって、防犯システム的に問題があると思う。
「あら、あなたまでいらしたの?」
お岩さんが浄火に気付いて、冷たい声を出した。
「あなたは長老側の人間でしょう? しっぽを振ってお出迎えしなくても、よろしいのかしら?」
「遠慮なくトゲトゲしい言い方だな、お前」
「でも実際、あなたはあの女の飼い犬なのでしょう?」
「あの女って信子ババのことか? よせよ」
「飼い犬でないとしたら、何かしら? あぁ、愛人とか?」
「なんでオレが愛人になるんだよ。そもそも信子ババと初めて会ったのは、ついこの前だぞ」
浄火の話を聞いて、ふと思った。
ついこの前が初対面?
そういえば、こいつと因業ババの関係って?
なんだって偉い身分の長老さまと、常世島の浄火がつるんでるの?
接点なんてひとつも無さそうだけど。