神様修行はじめます! 其の四
「証拠がないなら、探せばいいんですわ」


お岩さんがそう言って、床の間の前に立った。


そしてダンッと片足を大きく踏み鳴らす。


と、掛け軸がシュルゥッと上に勢いよく巻き上がった。


ガッコンと音がして、壁の部分に人間ひとりがくぐれる程度の穴がポカリと開く。


・・・わ、ビックリした! 忍者砦みたい!


これって権田原が得意とする、仕掛け扉だ!



「この穴は、いま長老がいる御対面所の天井に繋がってますの」


お岩さんが得意そうに胸を張る。


「天井から下が盗み見ができます。長老の本性と企みが、見られるかもしれませんわ」


「お岩さん、えらい!」



大物長老の正体のことも気になっていたんだ。


あたしにも関係することだし、権田原にも迷惑がかかるかもしれないし。


様子を探れるなら、ぜひ探りたい!



「浄火、あんたも来るよね?」

「ああ、行く」


今度は浄火もうなづいた。


「じゃあ、さっそく行きますわよ。わたくしについていらして」


お岩さんを先頭に穴の中に入り込む。


立って進めないほど狭くて低い穴が、斜め上へとずっと続いていた。


四つん這いになって、三人が縦一列にジリジリと進んでいく。


せ・・・狭っ。これって太ってる人は、絶対に通れないよ。


しかも薄暗いし、ほこりっぽい。・・・ケホっ。

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