神様修行はじめます! 其の四
「門川、君・・・」
ゼエゼエ息が乱れる。まるで走ってるみたいに動悸が激しい。
とにかく全身が熱くて熱くて、ダラダラ滝のような汗が出てくる。
頭は割れるように痛いし、まともに呼吸もできなくて、正直泣き出したいくらいだ。
「これはおそらく、毒の類いだろう」
屈みこんであたしと絹糸の様子を見ながら、彼が言った。
毒? あのウツボ、毒をもっていたの?
ねちっこい根性のうえに、毒まで持ってるなんてホント最低。
でも毒の攻撃をされた覚えはないのに。
「砂の中に吐き出したんだろう。それを浴びたんだ」
彼の目は、あたしの体中にこびりついている湿った砂を見ていた。
よくよく見れば、砂に薄緑色のヌルッとした液体が混じっている。
これ、ウツボが吐き出した毒なの?
・・・うわヤだ。汚い。
あたしと絹糸がさっきから浴び続けていた砂の中に、毒が混じっていたのか。
「ガハッ・・・カハッ!」
「ううぅ・・・!」
絹糸とあたしが身を震わせながら同時に吐いた。
でも絹糸の容体の方が、かなり重症。体が大きい分、浴びた毒の量が多いんだ。
全身がすごい勢いでビクビク痙攣している。
絹糸がこんなに悶え苦しんでいるのを見るのは初めてだ。
き、絹糸、しっかりして・・・!
「グゥオォォーーーーー!」
どれほど苦しいのか、あの絹糸が我を見失って、ただの獣のように咆哮している。
黄金色の両目が、見る間に完全に緑色に染まった。
そして口から真っ白な泡がブクブク噴き出したかと思うと・・・。
「グウ! ク、ウゥゥーー・・・」
暴れまくっていた絹糸は、糸が切れたようにバタリと地に伏した。
そしてそのまま、全く動かなくなってしまった。