神様修行はじめます! 其の四

驚いたあたしは起き上がろうと体に力を入れた。


途端に、ぐるぅんと天と地が回った。


目に映るものが全部、メリーゴーランドみたいに回転している。


き、気分・・・最、悪・・・。


最悪どころか・・・死ぬ、かも・・・。


「里緒! 里緒しっかりしろ!」


「少し静かにしてくれたまえ。騒ぐな」


浄火と門川君の声が聞こえた直後に、閉じた目蓋の裏が明るい光を感じた。


目を閉じても思わず眉間を寄せてしまうほど眩しい、白い輝き。


これ、門川君の治癒術だ!


あぁ、良かった! これであたしも絹糸も助かる!


すっかり安心したあたしは、息を吐いて目を閉じ、全身を脱力させた。


そして今まで何度もお世話になった、馴染みのある感覚に身を委ねる。


爽やかな風と、清らかな水が全身を浸していく、何とも言えない心地良さ。


体中の悪い物全部が、ひとつ残らずあっという間に押し流されていく。


まるで嘘のようにあっという間に。


あっという間に・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・。


あたしはゼエゼエ荒い息を繰り返しながら、再び目を開けた。


嘘。な、なんで?


なんで、回復しないの? 

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