神様修行はじめます! 其の四
同じように地に倒れ、それでも仲間によって救われるあたし。
誰の助けも得られず、独りぼっちで死んでいく彼女。
ふたつの視線が重なり合った。
あたしはポロポロ涙を流しながら、食い入るように彼女を見つめていた。
あのどこまでも哀しい人が死にゆく様を、せめて心に刻み付けたい。
解けて乱れた、美しかった黒髪を。
白い陶器のような、血の色が失せていく頬を。
閉じる寸前の目を覆う、長く豊かなまつ毛を。
彼女の命がこの世界から消え去る瞬間まで、せめて、その想いを。
この人は確かにここに存在していたのだと、この胸に・・・。
・・・・・・・・・・・・。
ふと、胸に疑問が湧いた。
何か違和感を感じる。あたしの心が不穏に騒いでいる。
何かが引っ掛かるんだ。何かが、おかしい?
・・・いったい何が?
不安にさざめくその理由を知ろうと、あたしの目線が慌ただしく動く。
そして信子長老の唇を見た時、心臓がドクンと鳴った。
なぜなら、もう紫色に変色してしまったその唇が・・・
・・・・・・・・・・・・
笑って、いたから。
―― ドスッ!
「・・・!?」
体を不自然に折り曲げた浄火の目が、大きく見開かれた。
あたしはポカンと口を開いて、彼の背中を見つめた。・・・いや。
彼の背中から隆々と突き出している、赤い血に染まった、鋭く尖った槍の穂先のようなものを。
「ぐ・・・・・・」
浄火の口から、苦悶の声と一緒にゴポッと鮮血があふれ出る。
そしてあたしの口からは、悲鳴が上がった。
「浄火ーーーーー!?」