神様修行はじめます! 其の四
―― ザアァァーー・・・!
浄火の体を高々と宙に突き上げながら、砂を掻き分け姿を現したモノ。
その、そびえ立つモノを見上げながら、あたしは驚きのあまり悲鳴も引っ込んだ。
信じられないほど巨大化した、ほとんど家一軒分の大きさのイソギンチャク!?
どっからどうみても、地球侵略しにきたエイリアンにしか見えない!
エイリアン本体から無数の不気味な触手が蠢き、四方に長々と伸びている。
そのうちの一本が鋭く尖り、凶器となって浄火の腹を刺し貫いていた。
赤く濡れ光る血が、つぅっと垂れて砂地にボタボタ大量に落ちる。
それを見て、あたしは瞬時に理解した。
信子長老の袖から、足元の砂に滴り落ちていた真っ赤な血。
そうか! ウツボはただのおとりだったんだ!
信子長老の本命はコイツだ!
砂の奥底に隠れた異形に、素知らぬ顔で自分の血液を分け与えていたんだ!
・・・また、してやられた!
この人の用意周到に張り巡らしたクモの糸に、まんまと絡めとられた!
ニヤリと笑った紫色の唇。
そして浄火の体からは、すごい勢いで血が流れ出していく。
「ガ・・・グゥ・・・」
続けざまに血を吐いた浄火の体が痙攣し始めた。
極限まで開いた目から、みるみる光が失われていく。
あぁ! このままじゃ浄火が死ぬ!
「天内君! 絹糸! 少々辛抱してくれ!」
叫ぶなり門川君が、印を組んでいた両手をバッと離した。
素早く片方の手をこちらに、そしてもう片方の手を浄火に向ける。
それぞれの人さし指と中指が、違った形の簡易な印を組んだ。