神様修行はじめます! 其の四

―― パアァッ


白く穏やかな光が、あたし達と浄火の体を包み込む。


すると浄火の痙攣が見る間に収まり、弱々しいながらも目に意思の光が戻ってきた。


苦しげに背中を震わせつつも、なんとか呼吸も確保できているらしい。


ま、まさか門川君・・・


「あなた、二か所同時に回復術を発動してるの!?」


「効果は格段に落ちるが、これしか方法がないんだ!」


集中して目を閉じながらそういう彼を、あたしは唖然と眺めた。


確かにいつもより、白い輝きの光度が低いし。


解毒の度合いも、どうやらさっきに比べればグンと低下しているのを感じるけど。


けど! 離れた場所を、しかも形態の違う、おまけにかなり高度な回復術を同時発動ぉ!?


あんた、ほんとに人間なの!?


「怒らないから正直に言って! 実はやっぱり化け物でしょ!?」


「ちょっと集中させてくれ天内君! 悪いが君の言動は、非常に神経に障るんだよ!」


結構ヒドイこと言われた気もするけど、あたしは慌てて口をつぐんだ。


なんとか彼にこのまま術を継続してもらわなければ、絹糸の命も浄火の命もない。


門川君がんばって! 心の中で、けたたましくも静かに応援してるから!


―― ズズズ・・・


砂場全体が、微妙に振動し始めた。


地に伏した腹から、不穏な感覚が確実に伝わってくる。


・・・・・・。


門川君は手が一杯。絹糸もあたしも、浄火も戦闘不能。


と、すると・・・・・・。


―― ドオォォォーーー!


砂浜の全域から、数えきれないほどのイソギンチャクの触手が飛び出してきた。


これ、誰が対処すんのーーー!?

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