神様修行はじめます! 其の四

バカでかくて長い触手が、四方八方、グネグネ蠢いている。


その不恰好な動きは、言っちゃなんだけど不気味なタコ踊り集団にしか見えない。


これって平素だったら腹を抱えて笑う光景だけど、現状、笑えない!


うわ、うわ、砂浜中、びっしり触手だらけだ!


焦ってキョロキョロと首を動かしているあたしに、門川君が鋭く叫んだ。


「天内君! 逃げろ!」

「無理!」


間髪置かずに即答した。


よく見てよ! どこもかしこも、狂喜乱舞のタコの舞いだらけじゃん!


これじゃどこにも逃げられないって!


「無理じゃない! 力ずくで逃げろ! 少しは体も動くはずだ!」


「無理なものは無理! それに術発動中の門川君を置いて、あたしひとり逃げられないよ!」


「そんなことを言ってる場合じゃない!」


すぐそばの触手が、狙いを定めたようにビタッと動きを止めた。


ハッと見上げると、その先端が槍のように鋭く尖り、こっちを向いている。


げ、ヤバイ! と思った瞬間、予想通りソイツがあたしに襲いかかってきた。


「天内君!」


触手の先端はシュッと風を切りながら、ひと呼吸の間にあたしの眉間の寸前に迫った。


その目にも止まらぬスピードたるや、あまりの素早さに、瞬きする余裕すらない。


・・・やられるー!


―― ドーーーン!


ズシッと内臓に振動が響き、鮮烈な閃光が目を刺す。


あたしに襲いかかった触手が白い煙をあげながら、ズンッと砂地に倒れた。


・・・これ、雷撃!?


倒れたままの絹糸が、緑色に染まった目を吊り上げながら触手を睨みつけていた。

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