神様修行はじめます! 其の四

そう叫んだあたしは、勢いよく立ち上がって駆け出した。


そして門川君の術陣から出た途端、具合が悪くなって砂地にバタッと倒れてしまった。


「天内君!」


砂に顔を突っ込んだ状態で、門川君の声を聞く。


「君には学習能力というものが皆無なのか!?」


そ、そうだ。忘れてた。


完治しないうちに治癒の陣から出ると、こうなっちゃうんだっけ。


でも絹糸は動けないし、門川君も精神集中でそれどころじゃない。


あたしが行かなきゃならないんだ!


顔についた砂をブルブルと払い落とし、あたしは砂の上に四つん這いになる。


そして浄火に向かってジタバタと移動を開始した。


途端にグッと吐き気がこみ上げ、その場にへたり込んでしまう。


気持ち・・・悪い。体の中を毒素が、血液に乗って巡っているのが分かる。


筋肉に全然力が入らない。ほんの少しの動作が、こんなに辛いなんて。


視界がグルグル回って定まらなくて、体を真っ直ぐに支えることすら難しい。


頭、痛い。体中、あちこち、痛い・・・。


へたり込んだまま、それでもあたしは歯を食いしばる。


言うことを聞かない両手足をズリズリ動かし、前へ進んだ。


ま、負けるか! 毒なんか、根性さえあればなんとかなる! たぶん!


滅火の術が使えない今、あたしにあるのは気力と体力!


あと精神力と、知力も学力も総動員して、この窮地から脱却してみせるとも!


気持ちを奮い立たせて、あたしは前進を試みた。


でも、体がそれについていかない。


治まっていた熱が急激に上がってきて、また全身の汗腺から汗がドッと噴き出す。


心臓がバクンバクン破裂しそうに鳴って、ものすごく息苦しい。


ていうか、息が、うまく吸えない。これも毒のせいなの?


瞬く間に酸素が欠乏して、目の前がチカチカしてきた。


体、痺れる・・・。熱のせいで熱いのに、寒い・・・。

< 616 / 697 >

この作品をシェア

pagetop