神様修行はじめます! 其の四

あたしの涙が、虚しく砂浜に吸い込まれて消えていく。


落としても落としても、まだ足りぬとばかりに消えていく。


まるでそれは、あたし達が目指す果てのない道のりのようだった。


どれほど泣いても、どれほど傷付いても、どれほど斃しても。


・・・この道に果ては無い。


無いんだ・・・。


―― スルスルスル・・・


不穏な気配を感じて、あたしは涙でグショグショの顔を上げた。


砂浜中で触手が蠢いている。


その動きから、この異形がいきり立っているのが分かった。


信子長老が死んで支配から解き放たれ、意識が戻ったんだろう。


いいように操られていたことに怒っているんだ。


そしてその激しい怒りが向かう先は、あたしたち。


もはや戦うすべの無い、あたしたちだ。


「うっ・・・うぅ・・・」


あたしはボロボロ泣きながら、目の前の触手を見上げていた。


あたしには、みんなを守るために戦う力が無い。


ただ悲しくて、ただ無力で、なにもできない自分を呪うだけ。


なにもできない。本当にあたしは、なにもできないんだ!


「天内君!」


無力感に襲われるあたしの名を呼ぶ声がする。


「君、泣いてるヒマがあるのなら、さっさと戦いたまえ!」


凛と張ったその叫び声にあたしは振り向き、目を見張った。


か、門川君、あなた・・・?

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