泣きたい夜には…~Hitomi~
頭を撫で、髪を梳く。
この手の感触を忘れないでおこう。
そして、必ず慎吾の元に帰ろう。
そう心に誓った。
カーテンの隙間から差し込む朝の光の眩しさに目覚めると、
「…ッ!!!!」
慎吾の腕の中で眠っていた。
昨夜は慎吾の胸の中で泣きながら寝てしまったようだ。
つくづく面倒な女ね、私って……。
時計を見ると、まだ5時を過ぎたところ。
昨夜のお詫びも兼ねて美味しい朝ごはん作ろう。
そう思い、眠っている慎吾を起こさないようにそーっとベッドから出ようとすると、
「うゎっ!」
腕を掴まれ、ベッドに引きずり込まれた。
「おはよう、色気のない声」
慎吾はクールな笑みを浮かべ、ふわりと唇を重ねてくる。
不意打ちのキスにドキドキと胸が高鳴る。
.