輪廻
ダイチ「お前さ、昔、良い気になっていたよね?」

こいつが主犯格になって、僕は転落した人生から這い上がれなくなった。

ダイチ「ほら、立てよ、坊ちゃん?今のお前はどうだ?どうゆう気分だ?」

悔しい…。
どうしてだろう。
何故、親父は居なくなってしまったのだろうか。

折角、何もかも手に入れられそうだったのに。


母親が部屋に籠もりきり、僕を全く見ない。
いつのまにか、それが当たり前になっていった。

子供達が騒ぐ声。
愉しそうだなぁ。
僕は子供なのに、どうしてこうなんだろう。

僕は石になりたい。
そこら辺に転がる石のように。

もう、何もかも感じない。

空を見上げた。
月を見上げたら、三角のようで、まんまるな月なんて見た事などなかった。

それからと云うもの、僕は残り少ない、父からの小遣いで、本を買った。
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