Again
「大丈夫よ。この先、一生抱かないなんてことはないんだから、うん、絶対にない。何か名波さんも思う所があるのよ。ほら、お見合いだったし、葵の気持ちがもっと自分に傾くのを待ってるのよ」
「そうかな?」
「愛されている実感が湧いてからの方が、いいじゃない?」
恋愛経験豊かな久美に言われると、そうだと思えてくるから不思議だ。パリに行けば、気分も変わるし、何か進展するかもしれない。微かな希望が葵にはあった。
葵は、給湯室を出ると、トイレに籠って、仁にメールをした。報告をするためだ。
フロアに戻ると、久美と目が合い、有休が受理されたことを合図で教える。
昼休憩になると、広報部である利点を生かして、雑誌を読み始める。
「何かいい特集はあった?」
雑誌が置いてある所は、小会議が出来そうな応接セットが置いてある。葵は、昼食を食べていつもなら、カフェに行きコーヒーを飲んで時間まで過ごすのだが、今日は、テイクアウトにして、ここで雑誌を見ていた。そこへ、同じく休憩から戻った久美が声をかけ、葵の隣に座った。
「うん、美食のパリ、芸術のパリっていう特集がある」
「いいなあ、私も海外に行きたくなったな」
「久美は何処に行ったことがあるの?」
「そんなにないけど、台湾、韓国、ドイツ、トルコ、ハワイ、スペイン、イタリア。フランスはまだなんだよね」
久美は指を折って行った国を数える。
「結構、行ってるね」
「稼いだ金は旅行とブランド物に費やすの、わたし。あ、そうそう。フランスのなんていう名前の修道院だったか忘れちゃったけど、そこのマリア様のペンダントトップが、恋の成就とか、災いから守ってくれるとかで人気らしいよ」
「へえ、調べてみるよ」
「さ、時間だよ。午後はホームページの更新をしないと。葵は?」
両方の太腿の上に手を置いて、よしっと勢い付けて立つ。
「今度の系列ホテル全部で同じ夏の企画をやるっていう会議。まだ何も決まってない会議」
雑誌を片付け、コーヒーの残りを飲み干す。
「また面倒な事を。個々のホテルでそれぞれ企画すればいいのに」
「そうなのよね。だから会議が長引く。眠気覚ましドリンクを用意しないと眠くなるわ」
「言えてる、有給までに何とか形になっていれば帰って来てから楽だね。さて、仕事するか」
久美は背伸びをして、軽くストレッチした。
葵の気分はもうパリだが、目的があるから仕事もがんばれる。会議に必要なファイル、筆記用具をデスクで用意して会議室へ向かった。
「そうかな?」
「愛されている実感が湧いてからの方が、いいじゃない?」
恋愛経験豊かな久美に言われると、そうだと思えてくるから不思議だ。パリに行けば、気分も変わるし、何か進展するかもしれない。微かな希望が葵にはあった。
葵は、給湯室を出ると、トイレに籠って、仁にメールをした。報告をするためだ。
フロアに戻ると、久美と目が合い、有休が受理されたことを合図で教える。
昼休憩になると、広報部である利点を生かして、雑誌を読み始める。
「何かいい特集はあった?」
雑誌が置いてある所は、小会議が出来そうな応接セットが置いてある。葵は、昼食を食べていつもなら、カフェに行きコーヒーを飲んで時間まで過ごすのだが、今日は、テイクアウトにして、ここで雑誌を見ていた。そこへ、同じく休憩から戻った久美が声をかけ、葵の隣に座った。
「うん、美食のパリ、芸術のパリっていう特集がある」
「いいなあ、私も海外に行きたくなったな」
「久美は何処に行ったことがあるの?」
「そんなにないけど、台湾、韓国、ドイツ、トルコ、ハワイ、スペイン、イタリア。フランスはまだなんだよね」
久美は指を折って行った国を数える。
「結構、行ってるね」
「稼いだ金は旅行とブランド物に費やすの、わたし。あ、そうそう。フランスのなんていう名前の修道院だったか忘れちゃったけど、そこのマリア様のペンダントトップが、恋の成就とか、災いから守ってくれるとかで人気らしいよ」
「へえ、調べてみるよ」
「さ、時間だよ。午後はホームページの更新をしないと。葵は?」
両方の太腿の上に手を置いて、よしっと勢い付けて立つ。
「今度の系列ホテル全部で同じ夏の企画をやるっていう会議。まだ何も決まってない会議」
雑誌を片付け、コーヒーの残りを飲み干す。
「また面倒な事を。個々のホテルでそれぞれ企画すればいいのに」
「そうなのよね。だから会議が長引く。眠気覚ましドリンクを用意しないと眠くなるわ」
「言えてる、有給までに何とか形になっていれば帰って来てから楽だね。さて、仕事するか」
久美は背伸びをして、軽くストレッチした。
葵の気分はもうパリだが、目的があるから仕事もがんばれる。会議に必要なファイル、筆記用具をデスクで用意して会議室へ向かった。