社内恋愛なんて
……でも、そんなことをしてもきっと私は許せない。


どうやったって許せない。


そのことを守は感じ取ったのかもしれない。


いや、違う。


きっと守は、私と別れたがっていたのかもしれない。


もう好きじゃないから、ラッキーって思って、だからすぐに帰ったのかもしれない。


そして守は、美奈子の元に向かうんだ。


人妻の美奈子の元に。


そう思うと悔しくて胸が焼けそうなくらい苦しくなった。


いてもたってもいられなくなって、身体を引き裂いて胸の痛みを取ってしまいたくなった。


守と美奈子が笑い合っている姿を想像するだけで吐きそうだ。


これが本当に現実なんだろうか。


守と美奈子がそんな関係だったなんて。


そんなの夢にしたって悪趣味すぎる。


こんなの、嘘だよ。


 子供みたいに声を上げて泣く。


嘘だよ。涙が溢れて止まらない。


 痛い。胸が痛いよ。


私はうずくまり、お腹を抱え込むようにして、内側からくる強烈な痛みと戦っていた。


こんなんじゃ足りない。


こんな隣近所に聞こえないように声を押し殺す泣き方じゃ、この痛みは取れない。


助けて。


痛い。


誰か助けて。
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