社内恋愛なんて
守にプロポーズされた場所に着いたら、もう日が暮れて辺りは暗くなり始めていた。


ここに来たのは今日で二回目。


初めて守に連れてきてもらった時は、とても寒い夜だった。


今は肌寒いくらいで、あの時のように凍えるような寒さではない。


もうすぐ、春がやってくる。


 知る人ぞ知るという夜景のスポットらしく、あの時のように周りには誰もいなかった。


それに、まだ夜になっていないから、この時間にわざわざ来る人なんていないのだろう。


 誰もいないことにほっと安堵して、私は両手を上げて大きく伸びをした。


良かった、ここでなら思い切り泣けそうだ。


 泣こうと思えば今でもすぐに泣ける。


涙腺はとうに崩壊している。


深呼吸をして、いつもは思い出さないようにしていた守のことを考える。


 ねえ、守。


いつかまた、二人で一緒に来ようねって言ってた場所に、私は一人で来たよ。


まだ数か月しか経ってないのに、どうしてこんなに変わってしまったんだろうね。
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