社内恋愛なんて
部長は名残惜しむように、ゆっくりと唇を離す。


「信号がずっと赤だったらいいのにな」


 切ない表情で苦笑いを浮かべて言った部長に、たまらない色気を感じて子宮が疼(うず)く。


キスの先に進みたいと思った。


部長なら、大丈夫。


自然とそういう気持ちが生まれて、私は覚悟を決めた。


 でも、ハッと大事なことを思い出した


今日……下着の色、バラバラだ。


しばらくそういうことから無縁だったから、全然気を回していなかった。


 そして、あっという間に見慣れた道に入り、自分の家が近いことを知る。


慌てて私は、部長に切り出した。


「今度の週末、空いてますか?」


「ああ、空いてるよ」


 ぐっと拳を握りしめて、勇気を振り絞る。


「……部長の家に、遊びに行ってもいいですか?」


 私の言葉に、部長は驚いて一瞬黙った。


「もちろん、いいよ。お昼前にまた迎えに行くよ」


「いえ、日中は予定があるんで、夕方以降に伺ってもいいですか?」
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