社内恋愛なんて
静かな部屋の中で、リップ音が鳴り響く。


耳、首筋、鎖骨と、キスの愛撫はだんだん下がっていく。


身体を重ねれば重ねるほど、愛が増していくように感じる。


二人の距離が近付いて、自然体になって、いつしか一緒にいることが当たり前になって、なくてはならない存在になる。


大好きが溢れて止まらない。


服を脱ぎ、素肌で抱き合うと、大好きすぎて泣けてきた。


「どうした?」


 涙に気付いた誠一郎さんが優しく問う。


「幸せすぎて、大好きすぎて、怖くなる」


 誠一郎さんを失うことが怖くて、しがみつくように抱き付いた。


「これからもっと幸せにするよ」


 激しいキスが注がれる。


私の不安を掻き消すかのようだ。


「ずっと、一緒にいたい」


「死ぬまで、一緒にいる」


 まるでプロポーズみたいで、単純な私はその言葉だけで満たされた。


不安な気持ちも失う恐怖も全部吹き飛んだ。


 誠一郎さんの重みを感じて、全てを受け入れて、また愛が深まっていく。


 ずっと、一緒にいようね。


いつか、プロポーズという名の約束をしてくれたらいいな。


そんな日が、来るといいな。


 誠一郎さんと一つになりながら、そんな甘い未来を夢みていた。
 
 
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