毒舌紳士に攻略されて
「好きか嫌いか、とか色々迷うところもあるし。……今は一歩前に踏み出せただけで十分だから」
「めぐみ……」
ちょうど総務部に辿り着き、琴美とふたり「戻りました」と言いながら席に戻った。
過去のトラウマからも抜け出せつつあるし、今はただこの気持ちを大切にするべきなのかもしれない。
それにやっぱりまたあの時のような辛い思いをしたくはない。
坂井君に限ってそんなことをするような人には見えないけれど、正直もう傷つくのはごめんだ。
そうしたらきっと二度と恋愛なんてできなくなってしまいそうだし。
パソコンを起動させ、ふと時計を見上げれば定時まであと一時間程だった。
最近ずっと残業続きだったし、昨日の二日酔いが完全に抜けているわけじゃないし、今日ばかりは定時で上がろう。
そう思い、残りの仕事を始めた。
「ふー、終わった。めぐみは?」
定時になると社内中に音楽が鳴り響いていて、今日もまたその音楽が鳴り出すとほとんどの人が手を止め、背伸びをしたり声を上げたりし出して、騒がしくなった。
「私もちょうど終わったところ。今日はもう帰れるよ」
「めぐみ……」
ちょうど総務部に辿り着き、琴美とふたり「戻りました」と言いながら席に戻った。
過去のトラウマからも抜け出せつつあるし、今はただこの気持ちを大切にするべきなのかもしれない。
それにやっぱりまたあの時のような辛い思いをしたくはない。
坂井君に限ってそんなことをするような人には見えないけれど、正直もう傷つくのはごめんだ。
そうしたらきっと二度と恋愛なんてできなくなってしまいそうだし。
パソコンを起動させ、ふと時計を見上げれば定時まであと一時間程だった。
最近ずっと残業続きだったし、昨日の二日酔いが完全に抜けているわけじゃないし、今日ばかりは定時で上がろう。
そう思い、残りの仕事を始めた。
「ふー、終わった。めぐみは?」
定時になると社内中に音楽が鳴り響いていて、今日もまたその音楽が鳴り出すとほとんどの人が手を止め、背伸びをしたり声を上げたりし出して、騒がしくなった。
「私もちょうど終わったところ。今日はもう帰れるよ」