毒舌紳士に攻略されて
それに今の私には、恋愛をしようとしているだけでも大進歩ともいえる。
まぁ……その相手があの坂井君だと言ったら、ちょっと前の私だったらびっくりすぎて固まってしまうかもしれない。
それくらい苦手なはずの人だったのに、な。
今は違う。
一緒の時間を過ごせて楽しいって思えたし、メールや電話をするだけでドキドキしてしまう。
こんな感情は高校生以来だ。
だから余計に大切にしたいなって思うの。
今はまだ一緒に過ごすだけで感じれる小さな幸せを積み重ねて、確かな気持ちにしていきたいって――。
* * *
「でも坂井はさすがとしか言いようがないよね。まずは外からしっかりと固める。……うん、これ勉強になったわ」
「そんな他人事みたいに言わないでよ」
同期会の会場に向かいながらも、あの時の坂井君の言葉が余程頭に残っているのか、深く頷きながらまるで他人事かのように話すものだから、思わず突っ込んでしまった。
まぁ……その相手があの坂井君だと言ったら、ちょっと前の私だったらびっくりすぎて固まってしまうかもしれない。
それくらい苦手なはずの人だったのに、な。
今は違う。
一緒の時間を過ごせて楽しいって思えたし、メールや電話をするだけでドキドキしてしまう。
こんな感情は高校生以来だ。
だから余計に大切にしたいなって思うの。
今はまだ一緒に過ごすだけで感じれる小さな幸せを積み重ねて、確かな気持ちにしていきたいって――。
* * *
「でも坂井はさすがとしか言いようがないよね。まずは外からしっかりと固める。……うん、これ勉強になったわ」
「そんな他人事みたいに言わないでよ」
同期会の会場に向かいながらも、あの時の坂井君の言葉が余程頭に残っているのか、深く頷きながらまるで他人事かのように話すものだから、思わず突っ込んでしまった。