毒舌紳士に攻略されて

「えーでも本当に勉強になったし！私も健太郎に結婚を迫らなくてはいけない状況に陥った時に、是非とも使わせてもらうわ」

「いや……健太郎君に関しては大丈夫じゃないかな？」

そもそもふたりは既に結婚しているかのように、仲が良いし。
結婚も時間の問題だと思うな。

そんな話をしながらも歩いていくと、今月の同期会の開催場所へとたどり着いた。

「それにしても今回の開催場所、大きいと思わない？」

「確かに」

同期メンバーだけでは広すぎる会場だ。
今回の開催場所は、この辺では有名な居酒屋で、二階建ての広い敷地面積には沢山の客席と、広い宴会会場が五つほどある。
知名度も高く、私も琴美も何度かここを利用したことがあるから、今回の開催場所である宴会会場がどれほど広いのか知っていた。

「しかも年末の忘年会シーズンによく三十人で予約が取れたよね」

「逆にそこしか空いていなかったのかもしれないよ」